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固定ファンを獲得するニュースレター

職業柄、いろんな企業やお店からのDMやニュースレターが送られて来ます。
その多くは即ゴミ箱行きとなりますが、中には興味深く読ませていただいている
ニュースレターがあります。

小豆島土庄町にある酒販店「エスポアおおもり」の店主、大森裕樹さん(通称:
だいちゃん)から毎月届く「和飲通心」は、私がいつも楽しみにしているニュース
レターのひとつ。

「和飲」は「和やかに飲もうよ」という意味と、「ワイン」とを掛けてあるんでしょうね。
ご本人に確かめたことはないんですが(笑)。

この「和飲通心」、本編はB4用紙の裏表にモノクロコピーして二つ折りにした
4ページものの簡単なニュースレター。そこには、店主であるだいちゃんご自身の
生い立ちや名前の由来、大好きな音楽のこと、スポーツ(マラソン)のこと、営業
先での出来事、愛犬のことなど毎回バラエティ豊かなテーマのお話しが、軽妙な
短編エッセイ風につづられます。

たとえば先日届いた3月号の第1面は、日本武道館で行われたエリック・クラプトン
のコンサートへ親子で行ってきた話。第2面は酒屋さんらしくお酒の話題を書いた
「清酒を楽しもう」(ただし、お酒のウンチクや商品紹介とかではなく、だいちゃん
自身の好きなお酒の飲み方が中心)。そしてなぜかうどん屋の話。第3面は「電話
機を交換した話」と「愛犬ドニが歳とった」って話。そして最終面はシリーズ「音楽
は楽し」など。

4ページを通して、極めて個人的な日常の話題ばかり。そして、ところどころに
決して上手いとはいえない(失礼!)自筆のイラスト。「和飲通心」を毎回読んで
いると、だいちゃんの人柄や近況が手に取るようにわかるのです。

だいちゃんの文章は言葉の選び方とリズムが素晴らしくて、一編一編から書き手
の心情がストレートに伝わってくる秀逸なエッセイになっているからです(ご自身は
たぶん、意識されていないでしょうけど)。

「和飲通心」のどこにも、「うちのお酒を買ってくれ」などとは書いてありません。でも
文章の端々から垣間見えるお酒のプロとしての知識や自信も読み取れ、親しみ
やすさだけでなく、信頼感といったもの醸成されるような中身になっています。

実際、私自身はだいちゃんと数回しかお会いしていませんが、もう何年も付き合
ってきた友達のような親しみを感じていて、また、酒のチョイスを安心して任せら
れる専門家なんだと信じきっているわけです。

そうして、今月の「和飲通心」に同封された薄いブルーとピンクの2枚のA4の紙。
ここにようやく、商品の紹介と購入を勧める言葉が出てきます。でも、こちらも
あくまで個人的なだいちゃんの好みが。

ひとつに「店長が愛飲する酒の普段飲み1か月分セット」というのがあります。
だいちゃんご自身が気に入って日ごろ飲んでいる酒を集めてセットをつくってみた
というもの。清酒と麦焼酎の一升瓶が各1本、ワインが2本と地ビール6本という
詰め合わせです。

それぞれの酒にだいちゃん自身の評価が添えられており、「だいちゃんが勧める
なら飲んでみようか」という気にさせられます。商売として“売りたい酒”よりも、
酒ファンの一人として“友達に飲んでほしい酒”をオススメするというスタンスに
好感が持てます。

「和飲通心」の発行部数は今、どのくらいかわかりませんが、おそらくかなりの
愛読者がいらっしゃることと思います。
「エスポアおおもり」は地域の酒屋さんですから、「和飲通心」の配布先は当然
小豆島の島内のお得意様が中心でしょう。小豆島出身で今は都会に暮らす人
たちも含まれているかも知れませんね。

こうした定期的なニュースレターは、DMと違って、直接購入を促そうとする意図
よりも、長い目で見た固定ファンの獲得が目的となります。大森さんの場合も、
お酒という商品を売るよりもまず、店主である自分自身を知ってもらい、理解して
もらい、好きになってもらい、信頼してもらうことから、お客様との良好な関係を
構築していこうとされているようです。

そうすることによって、人口がどんどん減り続ける地域にあって、根強いファンが
お店を支える応援団であり続けてくれているんだと思います。

ちなみに、ここで気軽に“だいちゃん”などと書いたりしてますが、だいちゃんは
私より少し年上の、酒とロックをこよなく愛するオヤジ。仕事も趣味も家庭も
エンジョイしながら、小豆島でいい人生送ってる、そう思わせる人です。ちょっと
悔しくて、うらやましい。


だいちゃんのブログ&ホームページ
http://www.wakuwakuomori.com/

投稿者 prism : 2009年03月13日 00:20

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