« 「地域ブランド」認定のハードル高し! | メイン | 虚業無常 »
CSRとPR
失礼ですが、皆さんはCSRってわかりますか?
もちろん、新聞やテレビで見聞きされたことはありますよね。
では、皆さんが誰かから「CSRについて教えてください」と言われたら
どう説明しますか?「できるよ」といえる方、尊敬します。すばらしい。
実は私、CSRについて前々からけっこう関心は持っていたのですが、
新聞を読んでもわかったような、わからないような、で、いざとなると
明解に説明する自信がなかったのです。
11月26日(日)付の毎日新聞に、CSRについて、あるPR会社の社長が
寄稿された記事が載っていました。この記事を読んで「なるほど」と
大きくうなずく事ができたのでご紹介したいと思います。
記事から引用すると「残念なことに、日本企業のCSRには『バイ・ミー』
(わが社の製品を買って)の期待が見え隠れしていて、本来のCSRの
基本である『ラブ・ミー』(わが社を好きになって)の精神が根付いて
いないのではないか。
(中略)CSRという言葉に社員が違和感を覚えるようなら、それに代えて
『ラブ・ミー・カンパニーを目指して』をキャッチフレーズにするのも一案だ」
通常の企業活動の目的は売上目標の達成、利潤の追求であり、
そのためのメッセージは「バイ・ミー」であるのに対し、CSRは社会からの
信頼を勝ち得るための取り組みであり、発信すべきメッセージは
「ラブ・ミー」なのだとのこと。
この方は、アメリカンファミリー生命保険(アフラック)を例にあげ、
「アフラックは小児ガンその他の重い病気で入院する子供の看護のために
地方から上京する家族に、東京の亀戸と浅草橋に宿泊施設『ペアレント・
ハウス』を用意している。看護のための精神的かつ経済的なサポートが
目的で、宿泊費はわずか1日1,000円という」
といった、ニュース性があってアピール度の高いCSR活動を企画するのが
欧米の企業はうまいと言っています。
確かに、地球環境の保護や人権問題などに取り組んでいるというテレビ
コマーシャルや新聞広告は、日本企業よりも外資系のほうが目立つような
気がしますね。
私は以前、広告と広報の違いをこの「バイ・ミー」と「ラブ・ミー」に分けて
考えたことがあります。
広告は、自社の商品をできるだけ多くの人に買っていただくために発信する
メッセージであり、その効果は売上の向上という尺度で量ることができます。
一方で、広報PRの立場から企業が発信するものは、わが社のことを知って、
理解して、好きになってほしいという「ラブ・ミー」のメッセージでなくては
ならない、ということです。
つまり、「企業PRとCSRは切っても切れないカンケイ」にあるわけです。
じっさい、企業の広報活動の対象となるマスコミの役割自体が、「社会的に
価値のある情報を報道する」ことですから、社会的に意義のある企業の
取り組みが大きく紹介される一方で、自社の利潤だけ追求する企業や
反社会的な企業は、経済部には無視され、社会部からは徹底的に叩かれる
ことになります。
社会から愛してもらうためには、愛される資格がなくてはならない。
一橋大学の伊藤邦雄先生の言葉を借りると、SCRは「一番下が
コンプライアンス、二番目が企業倫理、一番上が社会貢献という3層構造」
になっているそうです。
簡単にいえば「(法的に)悪いことをしない」「(人として)正しいことをする」
「社会のためになることをする」という3ステップ。
一個人に置き換えれば「決められたルールに従う」「正義を守る」
「人のために尽くす」ということにもなります。
CSRは企業として、人として、周りのみんなから愛されるための必
要条件であって、この3層構造を頭において企業活動を進めていくことがいま、
それぞれの企業に最低限求められているわけです。
あとは自社のCSRへの取り組みをどうやって社会に対して伝えていくかです。
社会貢献についてみると、日本には「陰徳」という言葉があって、「良い行いは
人に知られないほうが良い」という考えがあったようですが、これは
建前だけの話。企業にとってみれば、良い行いをしても黙っていては
企業価値が高まりません。
PRの面から言うと「悪いことが報道されれば一気にブランド価値が下がる。
(だから悪いことは絶対にしない)」「良いことが報道されればブランド価値が
高まる。(だからできるだけ良いことをしてできるだけ皆に知らせる)」という
単純な図式になります。
良いことはひけらかす必要はありませんが、広く知ってもらうためには
情報を開示していくほうが良いわけですね。
また今後は、企業が社会的に意義のある「良いこと」をしようとするとき、
ただ単にボランティア活動をやるよりも、「できるだけ多くの人に良い影響を
及ぼしたい」「できるだけ多くの人に知ってもらい、共感してもらいたい」など、
創意工夫したシナリオをつくって、世の中に広く知らせていけるような事業を
進めていくべきだと思います。
そのほうが、参加する社員のモチベーションも高まるし、企業のブランド価値も
高まっていくと思います。
投稿者 prism : 2006年12月08日 22:44
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.dekiruzo.net/weblog/mt-tb.cgi/59